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寄与分

この記事の結論

  • 財産の維持や増加に特別の貢献をした相続人は、その分を上乗せして受け取れます。
  • 「特別」の貢献に限られます。同居して家事をしていた、送り迎えをしていた、では認められません。
  • 原則として相続人でなければ主張できません。

相続でもめる典型が、この寄与分です。

親の面倒を見ていれば認められるのか。答えはそう単純ではありません。

寄与分とは

亡くなった方の事業を助けた、療養看護に努めたなどして、財産の維持や増加に特別の貢献をした相続人には、法定相続分に上乗せした取り分が認められます。

この上乗せ分を寄与分といいます。

相続人でなければ主張できません

同居していた内縁の妻や、長男の嫁。どれだけ貢献しても、相続人でない以上、寄与分は生じません。

例外的に考慮される場合

  • 相続人の妻や息子が、相続人と一緒に家業を手伝っていた → 相続人の寄与分として考慮できることがあります
  • 代襲相続の場合 → 本来の相続人の寄与分を、代襲相続人が主張できます
  • 貢献した当時は相続人でなかった → 相続の時点で相続人であれば、主張できます

「特別」でなければ認められません

遺産分割の場面では、多くの方が寄与分を主張したいと望まれます。

ただし、認められるのは「特別」の寄与をした場合だけです。

認められにくい同居して家事をしていた/病院の送り迎えをしていた
認められうる家業に従事して財産を増やした/寝たきりの親を自宅で介護し、財産の減少を防いだ

親族として通常期待される範囲を超えているかどうかが分かれ目です。

5つの型

家事従事型事業を無償、または無償に近い形で手伝っていた
金銭出資型お金を渡していた。不動産の購入資金、医療費、施設入所費など
療養看護型病気療養中の介護を無償、または無償に近い形で行っていた
扶養型継続的に扶養していた。毎月の仕送りなど
財産管理型財産を管理していた。不動産の賃貸管理など

療養看護型については、同居して家事を行っているだけでは特別の寄与とは認められません。

計算の仕組み

相続財産 − 寄与分 先に寄与分を取り分ける みなし相続財産 これを分ける対象とする 法定相続分で分ける いったん全員の取り分を出す 寄与した人に、寄与分を上乗せする これが実際の取り分

特別受益とは逆に、先に引いて最後に足す仕組みです。

金額の出し方

型ごとに考え方が違います。算定はとても複雑です。おおよその考え方だけ示します。

家事従事型通常得られたはずの給付額 ×(1 − 生活費控除割合)× 期間
金銭出資型動産・不動産の贈与 相続開始時の価格 × 裁量割合
不動産の使用貸借 賃料相当額 × 使用期間 × 裁量割合
金銭の贈与 贈与額 × 貨幣価値変動率 × 裁量割合
金銭の融資 利息相当額 × 裁量割合
療養看護型療養看護の報酬相当額
扶養型扶養のために負担した額 × 裁量割合
財産管理型財産管理の費用 × 裁量割合

「裁量割合」が入るとおり、数式に当てはめれば答えが出るものではありません。どこまで認めるかは判断に幅があります。

生前贈与を受けている場合

寄与した人が、生前贈与も受けていることがあります。

この場合、特別受益の額を考慮してもなお公平にならないときに限って、寄与分の主張が認められます。

認めてもらうには、示し方が要ります

介護をしていた事実があっても、それだけでは足りません。どの期間、どの程度、どういう形で関わったかを示せるかどうかで結論が変わります。日記や記録、領収書があれば、お持ちください。

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