この記事の結論
- 話し合いで離婚するなら、理由は要りません。裁判で離婚する場合にだけ必要です。
- 法律が定める理由は4つです。2026年4月の民法改正で、5つから4つになりました。
- 4つ目の「婚姻を継続し難い重大な事由」が、実際には最も多く使われます。
相手が離婚に応じない。それでも離婚したい。
その場合は裁判になりますが、裁判で離婚が認められるには、法律で決められた理由が必要です。
逆に言えば、話し合いや調停でまとまるなら理由は問われません。お互いが納得すれば、それで離婚できます。
法律が定める4つの理由
民法770条1項に、次の4つが挙げられています。
| 1号 | 配偶者に不貞な行為があったとき |
|---|---|
| 2号 | 配偶者から悪意で遺棄されたとき |
| 3号 | 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき |
| 4号 | その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき |
2026年4月に4つになりました
それまでは「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」を含めた5つでした。この事由は民法改正で削除されています。精神疾患を理由に離婚を求める場合は、4号にあたるかどうかで判断されることになります。
1号 不貞行為
最も典型的な離婚理由です。
不貞行為とは
配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係を持つこと
浮気との違い
浮気は、結婚していない相手についても使われる言葉です。不貞行為は、結婚している夫婦を前提とした言葉です。
ただし、内縁関係であれば、婚姻届を出していなくても不貞行為が問題になります。
不倫との違い
不倫よりも、不貞行為のほうが範囲が狭くなります。
不貞行為といえるには、肉体関係が必要です。デートをする、手をつなぐ、キスをするだけでは、不貞行為とは認められません。
肉体関係がない場合
性交渉に類する行為が不貞行為にあたるかどうかは、はっきりしていません。
ただし、それが原因で夫婦関係が壊れたのであれば、4号にあたる可能性があります。1号で認められなくても、離婚できる場合があるということです。
証拠の集め方は不倫・浮気の証拠となるもので説明しています。
2号 悪意の遺棄
夫婦には、同居し、協力し、助け合う義務があります。正当な理由なくこれを放棄した場合が、悪意の遺棄です。
例として挙げられるのは、次のような行為です。
- 理由もなく家を出て帰らない
- 働ける状況なのに働かず、生活費を渡さない
- 相手を家から追い出す
単身赴任や、DVから逃れるための別居は、正当な理由があるため当たりません。
3号 3年以上の生死不明
配偶者が生きているか死んでいるか分からない状態が、3年以上続いている場合です。
居場所が分からないだけでは足りません。連絡が取れなくても、どこかで生活していることが分かっているなら、この理由には当たりません。
実際に使われる場面は多くありません。
4号 婚姻を継続し難い重大な事由
実際には、これが最も多く使われます。
1号から3号に当てはまらなくても、夫婦関係が修復できないほど壊れていれば、離婚が認められます。
挙げられることが多いのは、次のような事情です。
- 暴力や暴言
- 長期間の別居
- 性格の不一致
- 浪費、借金
- 親族との不和
- セックスレス
ただし、これらがあれば必ず認められるわけではありません。程度、続いた期間、修復の見込みがあるかどうかで判断されます。
中でも重く見られるのが別居期間です。別居が長く続いているほど、関係が壊れていると判断されやすくなります。
詳しくは別居の進め方をご覧ください。
当てはまるかどうかの見当をお伝えします
4号は幅が広いぶん、判断が難しい理由でもあります。同じ事情でも、示し方や別居期間によって結論が変わります。何があったのかをお聞かせいただければ、裁判になった場合の見通しをお伝えできます。
